1963年、新潟県生まれ。内科医で気功師でもある名知さんは「特定非営利活動法人ミャンマー ファミリー・クリニックと菜園の会」の代表として自立循環型の医療援助を続けている。獨協医科大学を卒業後、1989年に日本医科大学第一内科に入局。勤務する中で日本の医療のさまざまな疑問を感じるようになった時、「あなたの愛を誰かに与えれば、それはあなたを豊かにする」というマザーテレサのことばに感銘を受け、国際医療の道を志す。2002年に国境なき医師団に日本人5人目の医師として入団し、タイのミャンマー国境付近の村ではミャンマーから逃れてきたカレン族の医療支援など、難民緊急援助に携わった。2008年に乳がんを患うが、手術、抗がん剤・放射線治療、リハビリを受けながら途上国での医療活動を継続。そして、ミャンマーの死亡率の高さの原因には栄養不良があり、医療だけでは救えない、健康の基本は食生活からとの思いで菜園作りを計画した。同年9月にNPO法人の前身となる「ミャンマー クリニック菜園開設基金」を設立した。聴診器一本で温かい手当てができるよう心掛けながら、貧困、飢餓、病気に苦しむミャンマーの貧しい地域の人々に寄り添い、共に生活し、保健衛生・栄養・農業などの指導を続けている。