明石(あかし) 定子(さだこ) (53)

 1965年、兵庫県姫路市生まれ。1990年に東京大学医学部を卒業し同附属病院第三外科に入局。まだ女性医師が珍しかった男性社会の外科で奮闘。胃がんの女性患者から「女性の先生でよかった」と聞き、女性であるメリットが生かせる乳腺外科医を目指す。1992年から国立がん研究センター中央病院外科レジデントとして経験を積み、乳腺外科のがん専門医資格を得て、1999年4月には東京大学大学院の医学博士を取得。国立がん研究センター中央病院乳腺科・腫瘍内科の病棟医長を経て、2011年から昭和大学病院乳腺外科准教授、2019年7月から教授に就任している。乳がん治療一筋25年の間に3000件以上の手術実績があり、現在も年間100件近い手術を担当する。日本では今、11人に1人が乳がんに罹患するといわれている。発生部位や進行度合により治療法はさまざまだが、全摘出と温存治療は半数ずつになっている。患者がその後の人生を前向きに生きられるよう、単に乳がんを治すだけでなく患者が納得する治療を施すことを心掛け、がんを切除した胸ができるだけ変形しないよう細やかな手技で形を整える。乳がんは早期発見により適切な治療が行われれば良好な経過が期待できる病気であることから、ピンクリボンの啓発活動にも積極的に取り組んでいる。