(はやし) 陽子(ようこ) (62)

 1956年、茨城県水戸市生まれ。1979年、早稲田大学法学部卒業。1980年、司法試験に合格し、司法修習を経て、1983年に弁護士登録。2006年には、司法修習生時代から親交のあった女性弁護士と共に、アテナ法律事務所を開設した。学生時代から女性の権利に関する問題に関心を持ち、当初は雇用差別や婚外子差別の訴訟で活動した。1985年、ケニアのナイロビで開催された第3回世界女性会議にNGOとして参加し、「女性に対する暴力」や「性と生殖に関する権利」といった新しい問題を知る。何か国際的なことに取り組みたいと考え、外国人女性のためのシェルターの活動に顧問弁護士として関わるようになり、人身売買や賃金未払いの問題に対応するため国際人権法、特に女性差別撤廃条約を勉強。内閣府の「女性に対する暴力」専門調査会の委員や、国連の人権の促進と保護に関する小委員会の代理委員などを務めてきた。2008年1月、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)の委員に就任。2015年2月にはCEDAWの第15代委員長に、日本人として初めて選出された。女性の権利に関する幅広い知識と経験を生かして、CEDAW条約に対する理解が国内で深まるよう尽力する他、国内で後進の育成にも取り組んでいる。