1948年、東京都生まれ。商社に勤務していた1975年、途上国で女性と子どもの命と健康を守る活動を行っている国際協力NGOがあることを知り、その支援の輪に加わった。石井さんが所属するジョイセフは、戦後日本が実践してきた家族計画や母子保護活動の経験とノウハウを、途上国の人口問題や家族計画分野の支援に生かすよう、国際社会から求められ1968年に設立。多産多死が珍しくない途上国では妻や子どもの命は軽視され、死んでも替えが利くと考える夫は多い。命の大切さを訴える言葉は空しく響くこともあったが、“国の発展の根幹はすべての母子の健康にある”の信念のもと石井さんは、1年の4分の1は海外で活動を続けてきた。アフリカのザンビアでは寄生虫予防と家族計画、HIV予防と教育などの計画的支援に尽力し、2012年に念願の妊産婦のための施設を完成させた。世界では今なお1日に約800人の女性が、妊娠や出産が原因で命を落としているといわれている。教育を満足に受けられない10代前半の未成熟な女児が結婚させられ、知らない間に妊娠し、出産で亡くなるという悲劇が繰り返されないよう、母子保健支援プロジェクトを推進している。事務局長を経て2011年、代表理事に就任。現在も世界各地を奔走し、支援活動を続けている。