菅波(すがなみ) (しげる)(67)

 1946年、広島県生まれ。岡山大学医学部卒業後、同大学院へ進み公衆衛生学で博士号を取得。同大学第一内科等での勤務を経て1981年に岡山市内にクリニックを開業。介護施設などの経営を介して地域医療の発展に貢献してきた。同時に菅波さんは、AMDAの活動を通して国際医療活動でも貢献してきた。1979年、西日本アジア医学生連絡協議会から2名の医学生と共に医師として派遣された菅波さんは、カンボジア難民救援活動を通じて組織的な国際医療活動の必要性を痛感。1984年に相互扶助の精神に基づいた、アジア医師連絡協議会(現名称:AMDA)を設立した。以来、30年にわたって代表として、65の国や地域で展開された多国籍医師団による人道的支援活動を統括し、多様性の共存という理念のもと、支援を受ける側のプライドにも配慮した現地優先型のプロジェクトを実施してきた。AMDA設立30周年を機に菅波さんは、自身の活動拠点を中国文化、インド文化、イスラム文化が共存するマレーシアに移し、学生らを対象とした新しい研修プログラムに取り組んでいる。異文化に触れ、それぞれの価値観を肌で感じることで、意欲のある若者に国際社会で活躍するための知識と経験を積む機会を提供している。